All Right – Christopher Cross |そっと背中を押してくれる音
≋ Gentle Waves no.1 ≋
・Prelude|はじまりに
・Drift|きっと、大丈夫。「It’s all right」
・Coda|エピローグ
はじまりに
音楽は、いつもそばにありました。
とくに、70〜80年代の音に触れると、
ふと心が引き寄せられるような気がします。
華やかで、軽やかで。なのに、どこか切ない。
そんな“音の温度”が好きで、
それを言葉にして、静かに残してみたくなりました。
ジャンルというより、感覚で選んでいます。
音と記憶が重なる場所を、
少しずつ、たどっていけたらと思っています。
きっと、大丈夫。「It’s all right, think we’re gonna make it」
イントロの軽やかなリズムが流れた瞬間、
肩に乗っていた何かがふっと軽くなるような気がします。
言葉にすると「爽やか」とか「ポジティブ」なのだけど、
ただ明るいだけじゃない、不思議な“繊細さ”がこの曲には感じられます。
それはきっと、Christopher Cross の声に
優しさと、ほんの少しの弱さが混ざっているからかもしれません。
この曲は、
小さかったころ、父が運転する車の中で、
よく耳にしていたことを覚えています。
イントロの、なにかが始まるようなわくわく感と、
「All Right」――
そのフレーズだけは、なぜか記憶に残っていました。
あのときは、意味も知らずにただ聴いていたけれど、
今あらためて耳を傾けると、
あの声がそっと、自分に語りかけてくる気がします。
It’s all right, think we’re gonna make it
「きっと大丈夫だよね」って、自分に、誰かに、そっと確かめるような言葉。
はっきり言い切らずに、“たぶんうまくいくよ”っていう控えめな前向きさに、
Christopher Cross らしさを感じます。
その感じが、今の自分の気持ちにもやさしく重なって、
この曲を一曲目にした理由のひとつかもしれません。
エピローグ
何かを始めるときの、ほんの少しの不安や静かな決意。
そのどちらにも、この曲はそっと寄り添ってくれる気がします。
これからも、自分の感覚を頼りに、
「わたしが聴いていて心地よい曲」を、ひとつずつ綴っていきます。

🎧 1983年。
時代の風が少しずつ変わりはじめたころ。
彼が“希望のゆらぎ”を込めて描いた、静かなエール。
♫ All Right – Christopher Cross
・Released: 1983
・Album: “Another Page”
・Genre: AOR/Pop
・Writer: Christopher Cross
・Guest Musicians:
– Michael McDonald (backing vocals)
– Steve Lukather (guitar)
– Jeff Porcaro (drums)