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Biggest Part of Me – Ambrosia(ビゲスト・パート・オブ・ミー/アンブロージア)

≋ Gentle Waves no.2 ≋

Biggest Part of Me – Ambrosia

波のはじまりに
ひびきのなかで
静かな余韻に

🌊波のはじまりに

大切なひとのことを想うから、この曲が浮かんでくるのか。
それとも、この曲を聴くから、大切なひとのことを想うのか。

やさしいイントロにふれたとたん、
こころの奥に、ゆっくり波が広がっていく。

たぶんそれは、この曲が
“愛するひと”という存在を、
ことばとメロディで丁寧に抱きしめているからだと思う。

🌿ひびきのなかで

You’re the biggest part of me
You’re the life that breathes in me

(あなたは私の中で最も大きな存在/あなたは私に命を吹き込んでくれる)

「あなたがいたから、わたしはここにいる」
「その存在があったから、今のわたしがある」

そんなふうに、
この歌詞がやさしく語りかけてくるような気がする。

この一節は、愛する人への想いを超えて、
過ぎ去った時間のなかで
今も確かに輝き続ける“誰か”を思い出させてくれる。

――
この曲に初めて出会ったとき、
ああ、まっすぐなラブソングだな…って思った。
誰かを想い、求める、あたたかな愛の歌。

でも、時が流れるにつれて、
同じ歌詞の意味が、少しずつ違って聞こえてくる。

あのころの「好き」が、
いつのまにか「ありがとう」に変わっていたみたいに。

大切な友人。
家族。
もう会えなくなった人。
それぞれの面影が、このメロディに重なって、
胸の奥をそっとゆらす。

音楽は、聴く人の時間とともに育っていく。
私たちの風景を背負いながら、
ひとつの曲が、いくつもの意味を宿していく。

🌙静かな余韻に

変わっていくのは、いつも“わたし”のほうだ。
けれど、この歌は変わらずそこにいて、

恋のはじまりにも、
別れのあとにも、
「ありがとう」と言えなかった誰かを想う日にも、
静かに、そばにいてくれる。

音楽は、時間を越えて
心に生きつづける。

まるで、あなたが――
今もわたしの中で、
そっと呼吸しているみたいに。

Biggest Part of Me – Ambrosia

・Released: 1980
・Album: One Eighty
・Genre: AOR, Soft-rock
・Written by: David Pack

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