You Can Do Magic – America|ふいに、かかった魔法。
≋ Gentle Waves no.5 ≋
・🎧Prelude|気づけば、もう魔法の中
・🪄Drift|ふと、心が動く。
・🌙Coda|ふいに、かかった魔法。
Prelude|気づけば、もう魔法の中
いつもの図書館で、なんとなく手に取った一枚のCD。
“The Definitive America”──たぶん、そのときはまだ、特別な気持ちはなかった。
けれど、再生ボタンを押した瞬間、心がふっと動いた。
「あ、これ、好きだな。」って、すぐにわかった。
心地よく弾むリズム。
都会の風が吹き抜けるようなハーモニー。
そして、サビの「Ma~gic」のあとのピアノの音が、どうしようもなく好きだった。
気づけば、何度も、何度も聴いていた。
いつの間にか、わたしは魔法にかかっていたんだ。
🪄Drift|ふと、心が動く。
「誰かがいれば、前に進める。」
そう思っていたころもあった。
でも、たぶんほんとうは。
きっかけは、他の誰かや何かだったとしても、
変わるのは、わたし自身。
You can do magic.
You can have anything that you desire.
(あなたには、魔法が使える。
あなたが望むものは、きっと手に入る。)
その声に、ふっと背中を押される。
──けれど、動き出したのは、わたしだった。
そして気づいた。
「Ma~gic」のあと、あのピアノの音がそっと差し込まれたとき、
たしかに、心が少しだけ軽くなっていた。
たった一音の、その余白に、
小さな魔法はちゃんと生きていたんだ。
“ほんの少し、信じてみたくなる気持ち”のことかもしれない。」
そんな気持ちが心に灯ったとき、
音楽はそっと背中を押してくれる。
🌙Coda|ふいに、かかった魔法。
軽やかなリズムにゆれながら、
さりげなく、でもたしかに──
この曲は、わたしに魔法をかけた。
恋ではないけれど、
心が動く。
気づけば、自然に笑っていて、
気づけば、また聴きたくなっている。
──たぶん、それが魔法。
変わるきっかけは、いろんなところに転がっている。
でも、自分を変えられるのは、いつだって自分なんだ。
あのとき、小さな「わたし」が、
ほんの少しだけ、信じてみようと思えた。
──それが、魔法の正体だったのかもしれない。
今も変わらず、
この曲はわたしの中で、
ふいに、魔法をかけてくれる。

🎧 1982年。
一度、静かになった足取りの先に、
ふいに差し込んできた音の魔法──
それは、彼ら自身の旅を再び照らす灯にもなった。
♫ You Can Do Magic – America
・Year: 1982
・Album: “View from the Ground”
・Genre: AOR/Soft rock
・Writer: Russ Ballard