Xでの体験|SNS発信の“見えない壁”と向き合ってみた日

ささやき一覧へ戻る

~ さざ波の間に #1 ~

Quiet Walls──見えない壁の向こうで

この記事の内容:
ブログをきっかけに始めた、Xでのちいさな冒険。
期待と不安、発信することへの想いを綴っています。

~ さざ波の間に ~

さざ波|はじまりに寄せて
波1|小さなきっかけ

波2|見えない壁にふれた日(bot扱い、「Unlocked」表示)
波3|まだ見えぬ向こうへ
余波|似た景色を見ている誰かへ

さざ波|はじまりに寄せて

ことばを投げても、返ってこないときがある。
それでも、どこかに届くかもしれないと思ってしまう。

あの日、Xに投稿したあと、
何度もタイムラインを更新していました。

反応がないのが当たり前だとわかっていても、
どこかで「誰かが見てくれてる」と思いたかったのかもしれません。

今思えば、あのときすでに「99」という曲と、
出会っていたのだと思います。

言葉も、音も、
たったひとりに届けばいい――そんな気持ちで始めました。

でも本当は、
誰にも届かないことが、少しだけこわかったのかもしれません。

波1|小さなきっかけ

Xを始めたきっかけは、このサイトを立ち上げたことでした。

ひとりでも、誰かに届けば――そんな想いで、
深く考えすぎないようにして、そっと投稿を始めました。

たまたま誰かの目にふれて、
言葉や音がほんの少しでも心に残ったらうれしい。
「この曲、聴いてみたいな」と思ってもらえたら……。

想いというより、願いに近いのかもしれません。

反応は少ないかもしれないけれど、
それでも、少しずつ続けていこう。

最初は、そんなふうに思っていました。

波2|見えない壁にふれた日

ことばって、どこまで届くんだろう?

何度か投稿を重ねたころ、そんな問いがふと浮かんできました。

誰かが、ほんの少しでも、
「読んだよ」って心の中で反応してくれていたら。
それだけで十分、そう思っていたはずなのに。

ある日、Xでフォローしている人の投稿を見ていたら、
突然「Unlocked」とポップアップが表示されました。

botとかスパムとか──
自動で動いたり、関係のない投稿をばらまいたりするものと、
わたしの投稿が、同じように見なされていたらしくて……。

まるで見えない“壁”が目の前に立ちはだかったように感じました。

自分はここに、いないことになっているのかもしれない。

静かに投稿していただけなのに。
どうして、と思う気持ちと、
やっぱり、と納得しそうになる自分がいて。

誰にも見えないところで、
言葉は、空気にとけるように、浮かんでは消えていきました。

それでもわたしは、投稿をやめませんでした。
小さな希望のようなものに、背中を押されていたのかもしれません。

波3|まだ見えぬ向こうへ

「Unlocked」と表示された日、
わたしは深呼吸をして、ふたたびXに言葉を綴りました。

“見られていない”ことを前提にするのではなく、
“もしかしたら届くかもしれない”という希望を持ってみたくなったのです。

だって、ほんとうに届かない言葉なんて、
たぶん、ひとつもない気がするから。

たとえ誰かの目に触れなくても、
言葉を綴った自分の心には、ちゃんと残っている。

音楽がそうであるように、
静かに響き、時間をかけて染みわたるものも、きっとある。

投稿するたびに、すこしずつ“壁の向こう”を信じてみることにしました。

それは、
「待ってくれている誰かがいるかもしれない」と思えるようになったから。

最近記事にした曲、「Wait For Me」とぴったり重なったから。

目に見える反応がなくても、
気づかれなくても、
その向こう側に「誰か」がいると想像すること。

それが、私にとっての「発信しつづける理由」になった気がしています。

余波|似た景色を見ている誰かへ

あの瞬間、自分だけが立ち止まっているような気がしても、
きっと、似たような場所で同じ景色を見ていた人がいるはずだと思いました。

反応がないことに傷ついたり、見えない壁にためらったり。
それでもやっぱり、伝えたい気持ちがあった。

そんな想いが、自然とあの曲と重なって、
気づいたらことばになっていました。

誰にも届かないと思った言葉が、
めぐりめぐって、どこかでふと誰かの心に残ることがあるように。

…だから今日も、静かに言葉を綴りました。
あなたの胸に、そっと響くことを願って。

あの日の音楽が、静かに導いてくれたように——。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA